11月13日(日)に、当研究会の第6回学術大会が愛知県名古屋市で開催されました。今回は「国際リハビリテーションの新たな可能性~内なる国際化への貢献を目指して〜」のテーマで、一般演題セッションのほか、国内で暮らす海外ルーツの方々の健康課題とリハビリテーションに関するシンポジウムや特別セッションが組まれました。

一般演題では国内外での研究成果や活動報告が発表されました。その中にはミャンマーやウクライナの現状など時宜に即した報告もありました。また、本学会のテーマに関連する演題も複数ありました。国際リハビリテーションに携わる多くのひとがコロナ禍で研究や活動の変更を余儀なくされた中、いま置かれた場でできることややるべきことに冷静に向き合った様子が感じられました。

シンポジウムや特別セッションでは、海外ルーツの人びとへの支援を軸として、現場の声や家族の思いなど多文化共生に関連した研究や活動が紹介されました。海外ルーツの人びとへの支援にあたっては言葉の壁があると言われています。しかしながら、現在はプロの医療通訳から無料の翻訳アプリまで、ニーズに合わせて多様な翻訳手段があります。言葉の壁を盾にして、海外ルーツの方に関わることを避けているのではないか、という発表者からの問いかけは、参加者それぞれの心に深く刺さった様子でした。

当研究会が目指す「国際性という文脈を帯びた場におけるリハビリテーション」の中で、今回は日本国内に住む外国にオリジンを持つ人たちへのリハビリテーションや介護・福祉に焦点を当てた大会でした。研究会活動としても次の展開へ向けて、多くの示唆を得る一日でした。新型コロナ感染症蔓延後3年ぶりの対面開催(一部の講師がオンラインで発表されたこともあり、実質的にはハイブリッド方式となりました)、かつ対面では初の地方開催でしたが、多くの方にご参加頂けました。参加者同士の交流も活発で、対面ならではの醍醐味を堪能できた会となりました。参加した皆さんも、次の活動への刺激と示唆を得たことを願っています。