2025年6月22日、国際リハビリテーションセミナー2025「開発コンサルタントとしての国際協力:セラピストからの転身」を開催いたしました。

本セミナーでは、現在開発コンサルタントとして国際協力の現場でご活躍中の石井清志氏、大西海斗氏、後上正幸氏を講師にお迎えし、開発コンサルタントの役割や具体的な業務内容、これまでのキャリアの歩みなどについてご講演いただきました。

講演では、JICA等からプロジェクトの委託を受けるためのプロポーザル作成や、各国における調査・支援活動の実際、また現場との距離感に応じた多様な関わり方など、開発コンサルタントの業務の全体像について、分かりやすくご説明いただきました。講師の皆様は、偶然にも全員がJICA海外協力隊のご経験をお持ちであり、国際協力分野におけるキャリアの一例として開発コンサルタントの道を選ばれています。一方で、「協力隊の経験がなくとも挑戦可能な職種である」とのお言葉もあり、開かれたキャリアであることが示されました。

現在携わっておられるプロジェクトとしては、モンゴルの大学病院支援、ブータンにおける地域医療サービスの強化、ウクライナにおける病院復旧のニーズ調査など、多様な取り組みが紹介されました。また、キルギスでのリハビリテーションサービス提供といった自社事業への関与についてもご紹介いただきました。特に印象的だったのは、クライアントが省庁等の政府機関であることが多く、現場支援とは異なる「政策的視点」や「マクロな視野」が求められる点でした。

国際協力に関心のある参加者にとって、キャリア選択に資する貴重な情報を得られる有意義な機会となりました。閉会の挨拶で河野代表よりお言葉をいただきましたように、本研究会としても、今後コンサルタントの技術向上や情報共有を目的とした活動に継続的に取り組んでいければと思います。引き続きご期待ください。